予防接種について

予防接種は未来の子どもへの贈りもの

定期接種のワクチン

四種混合(DPT-IPV)、二種混合(DT)、MR(麻疹・風疹)、 日本脳炎、Hibワクチン、小児肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス、子宮頸がん(サーバリックス/ガーダシル)、BCG、水ぼうそうが対象となります。

予防接種についての情報は小児科医らで作るNPO法人 VPDを知って子どもを守ろうの会のホームページをご覧ください。

子宮頸がんワクチンについて

当院では定期予防接種である子宮頸がんワクチンの接種をお勧めしています。

子宮頸がんワクチンは一時積極的勧奨が差し控えられていましたが、現在積極的勧奨が再開されました。ワクチン接種後に全身の疼痛を訴え不登校になるなどの有害事象が複数みられていましたが、その後の調査により副反応とされる症状の出現率はワクチン未接種者と比較し変わらないことが確認されました。片山はワクチンではなく他の誘因で発症した全身の疼痛疾患については多数例の治療経験があります。ワクチンが誘因であっても、不定愁訴を訴えた段階の早期対応で重症化、遷延化は防げますので、接種後に不定愁訴を訴えた場合にも当院で対応可能です。安心してご接種ください。

積極的勧奨の再開に当たり、子宮頸がんのワクチン接種の選択肢が広がりました。もともと、女性の子宮頸がん予防に子宮頸がんワクチン(1価、4価)が定期予防接種となっていましたが、より広い範囲のヒトパピローマウイルスの感染を予防できる9価ワクチンである『シルガード9』が定期接種で接種可能となりました。『ガーダシル』と比べてより頻度の少ないヒトパピローマウイルスに対しても予防効果が期待できます。また、15歳未満では2回接種でも3回接種と同等の予防効果があることが分かり、より低年齢での接種完了が勧められています。他の予防接種との同時接種も可能です。是非ご接種ください。

乳児期からの日本脳炎ワクチンの接種について

当院では定期予防接種である日本脳炎ワクチンの接種を標準的な接種年齢の3歳より早い6ヶ月からの接種をお勧めしています。

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。日本小児科学会では「日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することを推奨する」としています。同学会の資料では岡山県は豚の抗体保有率について無地となっていますが、これは抗体保有が見られないということではなく、「調査されていない」ということです。津山中央病院では平成20年に、川崎医科大学との共同研究で当院に入院した無菌性髄膜炎の児の2人に日本脳炎ウイルスが感染していたことを確認しています。津山周辺での養豚農家も多いことから、岡山県北部に在住する小児は、『最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児』に該当すると考えており、日本脳炎ワクチンの生後6か月からの接種を推奨することにいたしました。

平成27年に生後11か月児の日本脳炎の感染が報告されたことから、千葉県では日本脳炎ワクチンの生後6か月からの接種を推奨するよう既に統一されています。感染後の発症率は低いものの日本脳炎が発症すると後遺症が高率となってしまいます。是非、乳児期に接種をお考え下さい。なお、乳児期に接種する場合、3歳以降のワクチン接種量の半分の投与となりますが、予防効果には変わりないとされていますので、ご安心ください。また、津山市では1歳から始まる生ワクチンと合わせて早期の接種勧奨をおこなっています。乳児期からの接種ご希望の方は問診票は受付にありますのでご利用ください。

なお、生年月日が平成9年4月2日~平成19年4月1日生まれの方については、日本脳炎ワクチンの製造方法変更に伴う接種見合わせ期間があった関係で、日本脳炎ワクチンについての案内がされていない場合があります。1期及び2期の未接種回数分を、20歳未満で接種できることができますので、改めて母子手帳などで接種状況をご確認ください。

ロタウィルス

口から飲む生ワクチンです。生後半年を過ぎると腸重積の有害事象が増えるため、生後2ヶ月のワクチンデビューと合わせて早めに開始しましょう。二種類のワクチンがありますが互換性がありません。当院ではHibや肺炎球菌ワクチンと同じスケジュールで3回接種するロタテックの在庫を常においております。里帰り先での初回接種がロタリックスだったなど、ロタリックスでの接種をご希望される場合は3日前までにご予約ください。

里帰りでの定期予防接種について

当院では定期予防接種を里帰り中に開始される方についても予防接種をしています。住民票上の住所が岡山県外の場合、事前に市町村の予防接種担当窓口で手続きが必要です。手続きに時間を要する場合もありますので、早めにお住いの市町村の予防接種担当窓口へご確認ください。

住民票上の住所が岡山県内の場合

岡山県内では岡山県医師会を仲介した相互乗り入れ契約を結んでいますので事前手続きなく定期予防接種をすることができます。予診票の様式が市町村によって異なりますので、予診票が市町村から配布されている場合はお持ちください。

住民票上の住所が岡山県外の場合

里帰り中に定期予防接種を行う場合、事前に住所地の市町村の予防接種担当窓口で手続きが必要です。窓口負担の有無についても住所地の市町村ごとに異なりますので、当院では個別の市町村についてのご案内できません。手続きに時間を要することもありますので、早めにお住いの市町村の予防接種担当窓口へご確認ください。事前手続きが完了していない場合、接種費用が全額自己負担になるだけでなく、副作用があった場合の救済が受けにくくなります。

予診票の様式が市町村によって異なりますので、予診票が市町村から配布されている場合はお持ちください。また、接種券や予防接種手帳がある場合も忘れずお持ちください。

◆個別契約方式◆当院と住所地の市町村が契約書を交わし定期予防接種を行う方式です。接種費用が直接病院に支払われるため、接種された際に窓口支払いは不要です。契約書を事前にやり取りする必要があり、手続きに時間を要します。

◆償還払い方式◆市町村に届け出て、当院または津山市宛の定期予防接種依頼書を発行していただく方式です。接種費用は接種された際に一旦当院にお支払いいただきます。接種後に領収書を市町村の予防接種担当窓口に持参すると、市町村の定めた上限費用の範囲内で接種費用が返金されます。
当院での支払額は変わりませんが、事前手続きがないと接種費用が償還されなかったり、副作用があった場合の救済が受けにくくなります。予診票の控えを領収書とともにお持ち帰りいただく場合と、予診票の控えは当院や津山市からお住いの市町村にお送りする場合があます。前者の場合、予診票の控えを紛失されると償還が受けられないことがあります。接種後の手続きで必要な書類についてもご確認ください。

任意接種のワクチン

おたふくかぜ、インフルエンザ(10~12月のみ)など。自費ですが感染予防のため接種が積極的に勧められるようになってきています。

定期予防接種が規定の期間内に接種できていない場合、自費で任意接種として接種することができます。また、就学後百日咳抗体が低下するため、年長と小6で三種混合の追加摂取を任意でするよう日本小児科学会では推奨しています。

任意接種のワクチンを他の定期予防接種と同時接種することも可能です。

インフルエンザ

任意接種です。毎年流行予想からA型2種、B型2種の4種の株を選んで製造されるワクチンです。12歳以下は10~11月ごろに1回目を接種し、およそ2~4週間(できれば4週間)あけて2回目を接種します。13歳以上は通常1回接種ですが、2回接種することもできます(接種間隔はおよそ1~4週間)。一度、インフルエンザに罹患しても他の株のインフルエンザになる可能性がありますので、規定通りの回数の接種をお勧めしています。

おたふくかぜ

任意接種です。おたふくかぜでは数は少ないものの聴力を失う方や髄膜炎で入院される方がいます。当院では、麻しん風しん混合ワクチンと合わせて1歳と就学前の2回接種するようにお勧めしています。

肛門がんワクチンについて

ヒトパピローマウイルスが原因となる肛門がんの予防に、男性にワクチン接種が可能です。

現在、女性の子宮頸がん予防に子宮頸がんワクチン(1価、4価)が定期予防接種となっており、対象年齢の方は公費負担により自己負担なしで接種可能となっています。このたび、4価ワクチンである『ガーダシル』が男性に適応を拡大し、肛門がんの予防に適応を拡大しました。男性の方が『ガーダシル』を接種いただくことで、自身のヒトパピローマウイルスが原因となる肛門がんを予防することが可能です。自費にはなりますが、接種を是非ご検討ください。

成人の風しんに関する公費助成ついて

風しん流行抑制と先天性風しん症候群の予防のために現在二つの公費助成制度が並行して実施されいます。両制度に該当される方もおられますが、その際には2022年までの追加的対策による定期予防接種の制度をご利用ください。

また、この公費助成制度による風しん抗体検査を受けられる方に、予防接種で予防可能なB型肝炎、麻しん、おたふくかぜ、水痘の各ウイルスに対する抗体価を一緒に検査を希望される場合には、通常1項目あたり2200円頂いていますが、4項目で5500円をご負担いただくことで検査させていただきます。ご希望の方は抗体検査時にスタッフまでお申し出ください。

成人の風しん予防のための追加的対応(定期予防接種)について(2025年3月末まで)

昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性につきましては公費による風しん予防接種の機会がなかったことから、令和7年3月31日までの間、第5期定期接種として全額公費による予防接種をうけることができるようになりました。

対象者の方には市町村から抗体検査並びに予防接種のためのクーポン券(シール式)が郵送されます。紛失した場合や届いていない場合は市町村(津山市の場合は健康増進課)で発行してもらえますので、市町村にご確認ください。

 クーポン券が届いたら、ワクチンの安定供給のため、すでに他の機会に風しんの抗体化が低いことが明らかになっている方を除き、無料で抗体検査を受けていただくことになります。抗体検査の前には、風しんにかかったことがあるかどうかや風しんワクチンを受けたことがあるか、風しん抗体価検査を受けたことがあるかを伺います。特に風しん抗体価検査は受けた時期と結果によっては採血なしで予防接種を受けることが可能な場合がありますので、最新の検査結果をぜひお持ちください。

 この検査で抗体価が基準値を満たさない場合は、風しんに対する免疫がひくく罹患するリスクがあるため、第5期定期接種として全額公費による予防接種をうけることができます。検査結果の説明の際にお伝えします。

 成人の風しん予防のための追加的対応についてはクーポン券がその都度必要ですので来院の都度忘れずにお持ちください。

成人の風しん予防のための任意予防接種とその助成制度について

風しん流行抑制と先天性風しん症候群の予防のために、岡山県・岡山市・倉敷市は、風しんの無料抗体検査を実施しており、当院でもこの事業に参加しています。検査日において岡山県内に住所を有する方で、次のいずれかに該当する方は当院にご来院いただきますと無料で抗体検査を受けることができます。 (1)妊娠を希望する女性   (2)妊娠を希望する女性の同居者(1歳以上)   (3)風しんの抗体価が低い妊婦の同居者

 ただし、無料抗体検査は過去に風しん抗体検査を受けたことがある方、明らかに風しんの予防接種歴がある方、検査で確定診断を受けた風しんの既往歴がある方、1歳未満の方のいずれかに該当する方は除かれます。

 この検査で抗体価が基準値を満たさない場合は、風しんに対する免疫がひくく、罹患するリスクがあるため風しんの予防接種をお勧めします。必要な方には検査結果の説明の際にお伝えしますが、抗体検査の結果を市町村に提出し、各市町村から予防接種費用の一部助成が受けられる接種券をもらってご持参ください。

かたやま小児科クリニック
岡山県津山市山北763-19

【診療時間】

月~水、金曜日
8:30~12:30
14:30~17:30

木、土曜日
8:30~12:30

【休診】

日曜日・祝祭日

【電話番号】

0868-24-1310